最近はChatGPTなどAIを活用して作られたコンテンツが増えてきたことから、ユーザー(読者)が情報の正確性を見極めるのが難しくなっており、コンテンツ作成者は頭が痛いはず……。
そこで今回は、情報の正確性を担保するための「監修」についてくわしく解説します。オウンドメディアやブログの運営者も必見ですよ。
記事監修とは
まずは記事コンテンツの監修について、基本的なことを紹介します。
そもそも監修とは
監修とは、対象の書籍やテレビ番組などを編集・監督することです。
監修をするのはその分野の専門家であることが多く、彼らが間に入ることで情報が精査され、より正確な情報を公開できます。
インターネット上の記事に対する監修の役割
昨今はWEBメディアの台頭により、記事監修といえば「ネット上の記事に対して編集・監督をすること」という意味合いが強くなっています。
そして、記事監修の位置づけは、専門の監修者により情報を精査することだけでなく、検索結果での上位化を図ることを目的としたものに変化しています。検索結果での役割について、詳しくはSEOに関する解説章で後述します。
記事監修のSEO効果
監修された記事には、どのようなSEO効果が見込まれるのでしょうか。監修なしの記事との違いを、Googleの見解を交えて解説します。
E-E-A-Tに寄与する?
監修の重要性を伝える前に押さえておきたいのが、E-E-A-Tと呼ばれるSEOのポイントです。
- E・・・Experience(経験)
- E・・・Expertise(専門性)
- A・・・Authoritativeness(権威性)
- T・・・Trustworthiness(信頼性)
それぞれを噛み砕いて説明します。
まずは経験です。コンテンツの信ぴょう性を左右するのは、「作成者の実体験や人生経験」です。もちろんコンテンツのコピーや流用、自動生成を見極めるのにも役立ちますが、経験を伴うコンテンツはユーザーにとって有益ですよね。そのため、それを含むことは、コンテンツ評価の重要な材料になります。
専門性は、その記事が「特定の分野に特化していること」です。たとえば、一つの記事で全く関連性のない複数のトピックを紹介していると、執筆者の強みがわからず、おそらく上位表示できません。
権威性は、その記事を発信している人の権威、つまり「ブランド力があること」です。長い歴史を持つ会社が発信する情報は、無意識に信用できてしまいますよね。
検索エンジンでも、同じような論理が働くため、WEB上で多く言及されているサイトや歴史あるサイトなどは高く評価される傾向にあります。
そして信頼性は、「透明性や責任所在の明瞭性があること」です。記事を書いた人やサイトを運営している人が明らかなほうが、そうでない場合よりも評価されるというわけです。
記事監修は、このE-E-A-Tに寄与します。専門家による監修で、より専門的になります。専門家の経歴や保有資格によっては権威性も担保されます。さらにどこの誰が監修しているか明確なので、より信頼されるはずです。結論、記事監修は現在のSEO対策として非常に有効です。
YMYL領域では記事監修が必須に?
検索エンジンは、ジャンルによってアルゴリズムが微妙に違うといわれています。
とくに意識しておきたいのが、YMYL(YourMoneyYourLife)です。これは、お金や命に関わる情報のことで、該当する情報はほかのジャンルよりも厳しく扱われます。
例えば、医療の情報を検索したとき、個人ブロガーが書いた情報が上位表示されていたらどんなトラブルが起きるでしょうか。
……想像は難しくないですよね。だから、専門家によって保証されたコンテンツであり、かつ運営者が明らかな権威あるサイト上で公開された情報でなければ、上位化されにくいというわけです。
ジャンルによっては専門家による記事監修、もしくは執筆が必須であるといっても過言ではありません。
記事監修の依頼方法
「記事監修を始めよう」と考えたメディア運営者やブロガーがつまずくのが、「監修者をどこで見つけて、どうやって依頼するとよいか」です。この章では、具体的な記事監修の依頼方法を紹介します。
3つの依頼方法と監修費用
監修者を見つける方法を3つ挙げます。
依頼方法 | 監修費用 |
---|---|
士業の事務所に相談する | 高い |
クラウドソーシングを使う | 安い |
監修者専門サービスを使う | 安い |
法律や税金、保険や資産形成に関することであれば、その道のプロ(士業)に直接相談できます。直接依頼する方法は、E-E-A-Tへの貢献度合いが高いメリットがある反面、時間やお金がかかりすぎるというデメリットがあります。
クラウドソーシングを使えば、多くの有資格者や経験者などが提案をしてくれるはずです。安く利用できるメリットはありますが、相手の素性がわからなかったりやり取りが複雑化したりするデメリットがあります。
監修者専門サービスは、監修に特化しています。受ける側も準備ができているためスムーズに運ぶメリットがありますが、まだサービス数が少ないので選ぶのが難しいというデメリットもあります。
【文例付き】メールでの監修依頼方法
士業などに直接監修依頼をする際は、お問い合わせフォームなどからメールを送ることになるでしょう。
メールで監修依頼する際の注意点メールを送る際は、以下の2点に注意が必要です。
- 監修業務を受けていないことが多い
- 承諾してもらえた後の準備が大切
まず、相手には本業があることを理解し、その上でお伺いする姿勢が求められます。いきなり、「監修を○円でお願いしたいのですが、いかがでしょうか」といっても、困らせてしまうだけです。
また、仮に承諾をもらえた場合も、その後の準備ができていなければトラブルを招きます。
たとえば、原稿に目を通してもらって誤りの訂正だけ依頼したくても、先方がいろいろと書き直したいと言い、結果イメージした記事にならないケースがあります。
監修依頼のメール文例
監修を打診する際の注意点をふまえ、文例を作成しました。なお、今回は士業に限らずさまざまな専門家に打診することを想定しています。
〇〇様
突然のご連絡失礼いたします。東京で◇◇というWEBメディアを運営する△△社の田中と申します。
この度は、当メディアの監修者として、××の専門家である〇〇様にぜひお力添えいただけないかと考え、ご連絡を差し上げた次第でございます。
(本業)でご多用のことと存じますが、謝礼のお支払いはもちろんのこと、貴所の集客への貢献など、いくつかの利点もご提供できると考えております。
ぜひ一度、お話の機会を頂けないでしょうか。
ご検討のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
記事監修の具体的なやり方とは
記事監修の具体的なやり方、進め方についても補足します。あくまでメディア運営者やブロガーに向けて書きますが、監修者にも参考になるかもしれません。
記事監修の2つのパターン
WEBメディアにおける記事監修には、いくつかのパターンがあります。
ひとつが、原稿を渡して赤入れをしてもらい、すり合わせを経て公開に至るパターンです。事前に、どれくらいの文章量で赤入れの深度はどの程度を希望しているか、名前の公開は可能かなど、依頼者と監修者ですり合わせておくことが重要です。WordやGoogleドキュメントでの進行がわかりやすいですが、監修者によっては、原稿を印刷して赤入れし、それをスキャンして返送してくれることもあります。
依頼側は、対応できる範囲を事前に明確にしておくとトラブルは減るでしょう。
もうひとつが、名前貸しのパターンです。もちろん、小手先のSEO施策なので注意事項は多いですが、重要度の低い情報であれば手段として考える方も多いでしょう。
このパターンは、ある程度まとまった本数の記事を監修者に送付し、OKがでたら名前を掲載させてもらうのが一般的です。監修者にも、手間をかけずに報酬が手に入るのでメリットがあります。しかし、万一情報に誤りがあった際に責任を負うリスクがあるので、最低限の原稿確認は行うべきでしょう。